住人が亡くなってしまった物件は、世間一般的に事故物件と認識されます。売却を検討していても、本当に売れるのか不安に感じる方…
事故物件を手放したい方必見! 売れやすい事故物件の特徴や手放す方法、できるだけ好条件で売るコツ
所有している物件が事故物件になってしまい「手放したい」と考える方は多いです。しかし事故物件には心理的に抵抗を感じる方が多いため、「売りに出しても買い手が付かなさそう」と懸念している方もいるでしょう。どうすれば事故物件をスムーズに手放すことができるのでしょうか。
本記事では事故物件を手放したいと考えている方のために、買い手が付きやすい・付きにくい事故物件の特徴や、事故物件を手放す方法、事故物件の売却相場、事故物件をできるだけ好条件で手放すコツなどをまとめました。
一般的な物件と比べ、心理的瑕疵(かし)がある事故物件は、売却がスムーズにいかないことも多く、かなり条件を妥協しなければ手放せないケースもあります。本記事を参考にして好条件で売却するコツを知り、不要になった事故物件を手放しましょう。
事故物件に該当する物件とは?
人が亡くなった物件=事故物件と認識している方がいるかもしれませんが、実は人が亡くなったからといって必ずしも事故物件に該当するわけではありません。一般的には、心理的瑕疵(不動産取引において心理的抵抗が生じる可能性のある事象)があるものを指します。
事故物件には法的に明確な定義はなく、かつては不動産会社によってその扱いにも差がありました。しかし事故物件にまつわるトラブルが増加していたことを踏まえ、国土交通省は令和3年 に「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」を制定しました。
このガイドラインによると、事故物件に該当するのは以下のような事案が発生した物件です(※)。
- 自殺
- 他殺
- 原因不明の死
- 発見まで時間を要した自然死や不慮の事故死(特殊清掃が行われた場合)
一般的に老衰や病気などによる自然死や、階段からの転落・浴室での転倒などによる生活の中で起こる不慮の事故死は、事故物件には該当しません。しかし自然死や事故死であっても、発見までに時間がかかり、特殊清掃や大規模リフォームの必要があった物件は事故物件に該当します。
※参考:国土交通省. 「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」. P7~9. https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001426603.pdf , (参照2024-02-24).
そもそも事故物件は売却できる?
事故や事件が起こって事故物件になったとしても、売却は可能です。
しかし事故物件の場合、買い手にその詳細を伝える告知義務が発生します。この告知義務は売却の場合時効はなく、事案の発生から何年たっていたとしても、告知を行わなくてはなりません。
また集合住宅の場合、専有部分だけでなく住民が日常的に使用する共有玄関やエレベーターホール、エレベーター、廊下、階段などで人が亡くなる事故や事件が起きた際も告知義務が発生します。日常的に使用しない共用部分の他、隣の土地、前の道路などで人が亡くなる事故や事件が起きた際は、告知義務はありません。
事故や事件で人が亡くなった物件に対して、人は心理的に抵抗感や嫌悪感を抱くため、告知義務を負うと、どうしても買い手は付きにくくなってしまうでしょう。
告知義務違反をすると契約不適合責任を負う可能性が高い
「売れにくくなってしまうなら、事実を隠して売却したい」という方もいるかもしれません。
しかし、告知義務を怠って売買契約を行ったとしても、後日買い主が事故物件であることを知れば、契約不適合責任を負わなければならない可能性が高いです。契約不適合責任とは、契約内容と事実に相違があった場合に、売り主が買い主に対して負う責任のことを指しています(※)。
契約不適合責任を問われてそれが認められた場合、物件の代金の減額を求められたり、契約解除を求められたりすることがあります。また契約不適合責任によって買い主に損害が出た場合、買い主は売り主に対して損害賠償請求をすることも可能です。契約にかかったお金や引っ越しにかかったお金など、さまざまな損害に対して請求が可能となるため、高額な支払いを行わなければならないこともあります。また精神的苦痛を感じたと訴えられた場合は、慰謝料を請求される可能性もあるでしょう。
※参考:e-Gov法令検索. 「民法」. “第五百六十二条”. https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=129AC0000000089 , (参照2024-03-05).
どのような事故物件なら買い手が付きやすい?
一般的に事故物件はそうでない物件と比べて買い手が付きにくいとされています。
しかし同じ事故物件であっても、買い手が付きやすいものもあれば、買い手が付きにくいものがあるのも事実です。買い手が付きやすい事故物件の特徴と買い手が付きにくい事故物件の特徴をそれぞれ見ていきましょう。
買い手が付きやすい事故物件の特徴
一般的に事故物件であっても、心理的瑕疵(かし)の度合いが低い物件は、買い手が付きやすい傾向にあるとされています。
瑕疵とは物件に不具合・欠陥があることを指し、心理的瑕疵とは物件に対して心理的に抵抗を感じる状態のことです。事故物件は心理的瑕疵がある物件に分類されますが、人が亡くなった事故・事件の内容によって、心理的瑕疵の度合いは変わってきます。例えば事故物件であっても孤独死が原因の場合は、心理的瑕疵の度合いは低いとみ見なされやすいでしょう。
また物件の立地や周辺環境が良く、需要が高いエリアにある場合は、事故物件であっても買い手が付く可能性が高いです。比較的築浅で物件の状態が良ければ、さらに買い手は付きやすくなる傾向にあります。
買い手が付きにくい事故物件の特徴
買い手が付きにくい事故物件は、心理的瑕疵の度合いが高い物件です。
同じ事故・事件であっても心理的瑕疵をどの程度感じるかは人によって異なりますが、他殺や焼死が事故物件の要因である場合、孤独死などと比べると心理的瑕疵の度合いは高くなってしまうでしょう。また亡くなった際の状態や発見までに時間がかかり、部屋の汚れや臭いが強く残ってしまって特殊清掃や大規模リフォームが必要になった場合も、心理的瑕疵の度合いは強くなる傾向にあります。
それほど心理的瑕疵の度合いが高くない物件だとしても、需要の高い立地ではなかったり、周辺環境が整っていなかったりすると買い手は付きにくいです。また築年数がたっていて、建物の状態が良くない場合も買い手は付きにくい傾向にあります。
事故物件を手放す方法は大きく分けて2つ
事故物件を手放す方法を大きく分けると「不動産仲介業者に仲介してもらう方法」と「不動産買取業者へ売却する方法」があります。それぞれどのような方法なのか、詳しく見ていきましょう。
不動産仲介業者に仲介してもらう
1つ目は、売り主と買い主の間に不動産仲介業者が入り、仲介業者が売り主に代わって買い主を探してくれる方法です。
不動産仲介業者が購入希望者を募集し、候補者が見つかったら条件をすり合わせ、合意を得た上で売買契約に進みます。仲介の場合、一般的に買い主は個人のエンドユーザーです。
仲介は売り主が売却価格を設定できるため、相場に近い額で売却できる可能性があります。しかし仲介は事故物件でない物件でも売却まではおよそ6カ月程度、場合によっては何年もかかるとされており、心理的瑕疵がある事故物件の場合、なかなか買い手が見つからない可能性も高いです。場合によっては、条件を大きく下げなければ買い手が付かないこともあるでしょう。
前述した買い手が付きやすい特徴に当てはまる事故物件であれば、仲介で希望額での売却を目指せる可能性はあります。ただし仲介の場合、売買契約が成立すると不動産仲介業者に仲介手数料を支払わなければなりません。仲介手数料は以下です(※)。
物件価格 | 仲介手数料の上限 |
200万円以下の金額 | 5.5% |
200万を超える金額~400万円以下 | 4.4% |
400万円を超える金額 | 3.3% |
※参考:国土交通省. 「宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額」. P1. https://www.mlit.go.jp/common/001307055.pdf , (参照2023-03-06).
不動産買取業者へ売却する
2つ目は、買取業者に物件を売却する方法です。
買い取りは買い手が業者になるので、売却までの期間が仲介と比べて短期間になる傾向があります。また直接買取になるので、仲介手数料は発生しません。
一概にはいえませんが、前述した買い手が付きにくい事故物件の特徴に該当する場合は、買い取りが向いていることが多いです。また仲介で募集をかけたものの買い手が付かなかった事故物件も、買い取りなら売却できる可能性があります。さらに売却後に契約不適合責任を負う必要性がないため、後々トラブルに見舞われるリスクを低減することが可能です。
ただし仲介よりも売却価格は低くなる傾向にあることは理解しておきましょう。また一般的な物件も扱っている買取業者の場合、事故物件の買い取りには応じなかったり、売却価格を低く設定されたりすることもあります。
事故物件の売却相場とは?
売却を検討しているのなら、事故物件の売却相場についても理解しておきましょう。
事故物件の売却相場は、元々の不動産価値の10〜50%程度といわれています。10〜50%と幅があるのは、事故物件となった要因によって、相場にも影響が出てくるからです。
要因ごとの売却相場目安は、以下のとおりです。
- 孤独死:不動産価値の10〜20%
- 自殺:不動産価値の20〜30%
- 他殺:不動産価値の30〜50%
もちろん相場を決める要因は他にもあるので一概にはいえませんが、目安として把握しておきましょう。物件の元々の資産価値は、不動産取引情報提供サイトや不動産一括査定サイトなどを活用するとおおよその価値が調べられます。
事故物件をできるだけ好条件で手放すコツ
事故物件を手放す際、できるだけ好条件で売却するにはいくつかのコツがあります。以下の6つのコツを押さえておきましょう。
1. 複数の業者で査定してもらう
仲介の場合でも買い取りの場合でも、複数の業者に査定してもらうことで好条件で売れる可能性が高くなります。
物件の査定方法や評価ポイントは業者によって異なります。事故物件の場合、足元を見られて相場価格よりも低く見積もられてしまうかもしれません。複数の業者で査定をしてもらえば、おおよその相場価格が分かります。また高い価格を提示した業者の見積もりを材料にして、他の業者と交渉することもできるでしょう。
2. 不動産鑑定士の鑑定を受ける
不動産鑑定士の依頼を受けると、物件の適正な資産価値を知ることができます。
不動産鑑定士は、物件の状態や周辺環境など不動産を取り巻くさまざまな要因を考慮し、不動産の適正価格を判断してくれるスペシャリストです。前述したとおり物件の資産価値は不動産取引情報提供サイトや不動産一括査定サイトなどでおおよその額を調べられますが、不動産鑑定士に依頼すればより正確な価格を把握できます。不動産鑑定士が算出した資産価値は影響力があるとされているため、価格交渉を行う際の材料にもなりやすいです。
ただし不動産鑑定士に依頼するには費用がかかるので、その点も考慮しておきましょう。
3. 一定期間空けてから売る
事故物件の要因となった事案から、一定期間空けて物件を売却するのも好条件で売却するコツです。
事案が発生した直後に売却をするよりも、発生してしばらく時間がたってからの方が事故や事件に対する印象が薄れているため、心理的瑕疵の度合いが下がる傾向にあります。特に仲介の場合は買い主が個人になるため、心理的瑕疵の度合いが下がった方が高く売却できる可能性が高くなるでしょう。
ただし社会的影響が大きい凄惨な殺人事件などの場合は、一定期間を空けたからといって心理的瑕疵が下がらない恐れもあります。また前述したとおり、一定期間を空けたとしても、売却の場合は告知義務が消えることはありません。
4. リフォームをする
仲介での売却を検討している場合は、リフォームを行うこともできるだけ好条件で売るコツです。リフォームを行って事故・事件の印象を軽減できれば、心理的瑕疵の度合いが下がる可能性があります。
ただしリフォームを行うには費用がかかるので、売却価格を考慮した上で行うことが大切です。買い取りの場合、リフォームを行って心理的瑕疵を下げるよりも、そのままの状態で売却した方が最終的に手元に残るお金は多くなることもあります。
5. ご供養やお祓いをする
仲介で売却する場合に好条件で売却するためには、ご供養やお祓いを行うことも検討しましょう。
ご供養やお祓いを行うことで、心理的瑕疵の度合いを軽減できる可能性があります。これまでお付き合いがある菩提寺や、物件を建てた際の地鎮祭などを行ってもらった神社であれば、ご供養やお祓いもお願いしやすいでしょう。
ご供養やお祓いのお布施や初穂料の相場は、2万〜10万円程度とされています。
6. 事故物件を得意とする業者に依頼する
好条件での売却を目指すなら、事故物件を得意とする業者に依頼しましょう。
仲介の場合でも買い取りの場合でも、事故物件を得意とする業者に依頼することで、より高値で売却できる可能性が高くなります。事故物件の仲介実績・買取実績がある業者は事故物件を扱うノウハウを持っているため、一般的な物件を扱っている業者よりもスムーズな売却がしやすいです。
すぐに手放したいなら事故物件専門買取業者がおすすめ
コツを押さえて好条件の売却を目指しても、事故物件になった要因や物件の立地・状態によっては思うような売却ができない可能性も高いです。
事故物件は買い手が付きやすいケースもありますが、どのようなケースでも一般的な物件と比べると買い手は付きにくい傾向にあります。できるだけ早く事故物件を手放したいなら、事故物件を専門で扱っている買取業者を選ぶのがおすすめです。
事故物件買取専門業者なら業者が直接買い取るので、買い手を探す必要がなく、スピーディーな売却を目指せます。また事故物件を専門としているため、一般的な買取業者で断られてしまった物件でも買い取ってもらえる可能性が高いです。
事故物件を手放したいならハッピープランニングにお任せ
本記事では事故物件を手放したいと検討している方のために、買い手が付きやすい・付きにくい事故物件の特徴や、事故物件を手放す方法、事故物件の売却相場、事故物件をできるだけ好条件で手放すコツなどをご紹介しました。事故物件は仲介と買い取りのいずれかで手放すことができますが、買い主が個人となる仲介よりも買い主が業者となる買い取りの方がスムーズな売却を目指しやすいです。できるだけ早く事故物件を手放したいなら、買い取りでの売却を検討してみると良いでしょう。
事故物件買取専門業者としてメディアでも多数取り上げられているハッピープランニングは、これまでに3,000件以上の事故物件・訳あり物件の買取実績があります。豊富な実績で培ったノウハウを活かしてスピーディーな売却をサポートしているので、まずはお気軽に売却相談や査定にお申し込みください。プライバシーに配慮した対応を心掛けているため、近隣の方に知られることなく事故物件の売却が可能です。